楽しい貧乏な防災:貧乏でも停電対策をするんだ
先日北海道で地震が起きて北海道全域が停電したけれど、地震で発電所が停止したり大型台風で電線があちこち断線したりして長期間の停電が起きる可能性があるので、停電対策をしておくにこしたことはない。
お金がある人は車から充電したり、ACコンセントが使える大容量のアウトドア用バッテリーとか車載用ポータブル冷蔵庫とかを買っておけば困らないだろうけれど、そういう本格的な防災用品やキャンプ用品を一式そろえると十万円以上かかる。しかし貧乏人は車を持っていないし、高い防災用品を買う余裕なんかないので、貧乏人がお金をかけずにとれる停電対策を考えることにする。
●停電になると困ること
・夏は冷蔵庫の生鮮食品や冷凍食品が全滅する。
・電気コンロや電子レンジが使えなくなる。
・パソコンやWiFiが使えないので仕事ができない。
・暗くて夜間の活動が制限される。
・冷暖房が使えない。
・エレベーターや電動シャッターが使えない。
・高層マンションやビルは電力で動くポンプで水を供給していて停電時に断水する。
・携帯電話の基地局のバッテリーが24時間程度しかもたないので、それ以降は復旧するまで携帯電話で通話ができなくなる。
・たいていの店が営業を停止する。自動販売機も使えなくなる。ガソリンスタンドが休業すると車に給油できなくなるし、営業中のガソリンスタンドに客が集中して渋滞が起きる。
・停電時に営業している店でもレジが動かないので電卓で会計をしていて会計に時間がかかる。買い物に電子マネーやクレジットカードが使えないし、ATMが動いていなくて現金が引き落とせないので、現金を持っていないと詰む。
・信号が消えて警察が手信号で交通整理するので、車の速度がゆっくりになって渋滞する。
●貧乏な停電対策
・モバイルバッテリーと、モバイルバッテリーを充電する手段を用意する。ソーラーパネル付きのモバイルバッテリーもあるけれど、ソーラーパネルは曇りの日や夜は充電できないという欠点があるので、手回し式のやつがひとつあると心強い。バッテリーと発電機を合計5千円程度で買えるし、停電していないときでも日常生活で使えるので買っておいても無駄にはならない。
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私は↑みたいなちゃんとしたやつがほしかったけれど貧乏なので下の手回し式のUSB発電機をGearBestで500円くらいで買って、ちゃちいけれど使い勝手には満足している。手回し発電機系の商品は電圧が不安定なのでiPhoneとかスマホの機種によっては直接スマホを充電できないことがあるけれど、その場合はいったん手回し発電機でモバイルバッテリーを充電して、モバイルバッテリーからスマホに給電するようにすると電圧が安定してうまくいくらしい。
・夜中に行動できるように光源を用意する。夕飯を作ったり、風呂に入ったり、トイレに行ったりするときに真っ暗というのは不便なので、懐中電灯みたいに前方の一か所を照らすのでなく周囲を照らすランタンがあると便利である。スマホのライトでもよいけれど、災害時の貴重な連絡手段であるスマホの電池をライト用に消費するのはもったいないので、ライトはスマホとは別に用意するほうがよい。
ちなみに消防庁はろうそくは火災の恐れがあるので停電したときに室内で使わないように呼び掛けている。じゃあいつろうそくを使うんだろうと考えてみたら、ベランダとか周りに燃えるものがないところでするめをあぶるのに使えばよいのかもしれない。
・ノートパソコンやタブレットPCやスマホなどのバッテリーで動くデバイスで仕事をできる体制を作っておく。普段デスクトップPCを使っている人は外付けHDDやUSBメモリに作業中のファイルのバックアップをとっておいたり、スマホのテザリングでネットが使えるように設定しておくと、ノートパソコンやタブレットPCにデータを移してすぐに作業を再開できるし、バッテリーが持つ間は作業ができる。
・貯金箱に小銭をためておく。買い物をしたときに店におつりがない可能性があるので、1万円札よりも小銭のほうが使い勝手がよい。停電時で携帯電話がつながらないときでも硬貨があれば公衆電話から通話ができて災害用伝言ダイヤル(171)で安否確認できるので、100円玉や10円玉もある程度持っておいたほうがよい。北海道の地震だとNTTが公衆電話を無料で使えるようにしたそうだけれど、災害が起きるたびに毎回無料にしてくれるかどうかはわからないので一応小銭は用意しておくほうがよい。
・常温保存できて調理せずに食べられるものを備蓄しておく。停電してから慌てて買い出しに行って好きでもない残り物をとりあえず買ってレジ待ちの行列に並ぶのは時間と金の無駄なので、最初から好きなものを備蓄しておいたほうがましである。
備蓄するのは缶詰や乾物だけでなくおかしでもよい。私はカルビーのフルーツグラノーラの800gのやつを1袋備蓄していて、賞味期限が近くなったら食べて買い替えている。ピーナツは長期保存できて栄養があって殻や実を焚火の燃料としても使えるので、アウトドア派の人におすすめである。停電していて電気コンロが使えなくてもガスが使えれば蛇口からお湯が出るので、カップラーメンやレトルト系も多少あると食事のバリエーションが増える。
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・停電が原因の断水に備えて飲み物を備蓄しておく。1人1日3リットルの水分が必要で、災害後には給水車による給水が始まるものの、僻地に住んでいる人は大災害で道路が壊れて孤立した場合を考えて多めに備蓄しておくほうがよい。
私が住んでいるアパートはたぶん停電しても断水はしないと思うし給水塔も歩いて行けるところにあるのであまり飲み物の備蓄はしていないものの、いちおう水6リットルとスポーツドリンク2リットルを備蓄している。私は冬にノロっぽいのになって全身から水分がだばだば絞り出されたときにスポーツドリンクがあったおかげで脱水症状にならずにすんだことがあったので、夏以外の季節でもスポーツドリンクを備蓄している。
豆乳は未開封なら常温保存できて賞味期限もけっこう長いので、停電時でもちゃんと栄養補給したいという人は豆乳も備蓄しておくとよい。豆乳はグラノーラとの相性も良いので一緒に備蓄するのがおすすめである。
・買い物用リュックを用意する。街中のエレベーターやエスカレーターが動かなくなると階段を使わざるをえなくなって食料を買い出しに行くのも重労働になるので、エコバッグよりもリュックのほうが肩への重さを分散できて疲れにくくなる。キャスター付きのリュックなら水とか重いものを運ぶのに便利だし、旅行にも使える。防災用リュックと兼用でもよい。
・夏は大量の保冷剤を冷凍庫で凍らせておいて、停電時には保冷剤の力で耐える。釣り用のクーラーボックスに保冷剤を入れて涼しい床下とかに置いて臨時冷蔵庫にしてもよい。あるいは水中の温度は気温より低いので、海や川や田んぼの側に住んでいる人なら食べ物をジップロックで密閉して釣り用のスカリに入れて海や川や用水路に沈めておけば多少は食料が長持ちする。あるいは塩が大量にあるなら、肉や魚を塩漬けしておけば常温でもある程度保存できる。
・冬は電気を使わずに暖を取る手段を用意する。雪国だと冬の停電は死活問題なので、たいていはこたつと石油ストーブを併用していて燃料の灯油が備蓄してある。私は普段から電気代を節約して最低限の暖房器具で冬の寒さをしのいでいるので、ダウンジャケットと手袋とニット帽を着て羽毛布団にくるまっていればなんとかなる。
・むやみに外出しない。停電して街灯がなくて真っ暗になると交通事後が起きやすくなるし、街の監視カメラが止まっている隙を狙って犯罪をする輩がいるので、明るいうちに用事を済ませて夕方以降の不要な外出は控えたほうがよい。
●まとめ
遠くで起きた災害を他人事と思わずに、自分だったらどうするだろうか、何が必要だろうかとシミュレーションして普段から対策しておくのが大事である。お金をかけて万全に防災対策するに越したことはないけれど、あまりお金をかけなくても防災対策できることがあるので、やらないよりはやっておいたほうがよいよ。