三角猫の生態

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楽しい貧乏な勉強:情報弱者の親に数年がかりでスマホの使い方を教えた話

デジタルネイティブ世代にデジタル機器の使い方を教えるのは大変である。しかし大変だからといってほうっておくと情報弱者になってしまう。私の両親はイノベーター理論でいうところのラガードで、スマホなんかいらないと言っていて新聞とテレビを情報源にしていてパソコンどころかガラケーさえ持っていなかったものの、母は元同僚に「LINE知らんのか。遅れてるぅー」と言われてしまう有様で、このままでは世間知らずの情弱老人になってイケてる老人に馬鹿にされてしまうので、私は両親にスマホをあげて使い方を教えることにしたのだった。

●情弱に段階的にスマホの使い方を教える方法

・ステップ1:スマホの電源の入れ方と電源の消し方を覚えさせる
情弱は電子機器がよくわからなくて怖いものだと思っているので、まずはカメラやゲームでスマホに慣れさせることにした。両親に壊れてもいいような古いスマホをあげて、オフラインでゲームや写真撮影用として使わせてまずは電源のオンオフを覚えさせた。

・ステップ2:電話のかけ方を覚えさせる
電源のオンオフができるようになったら、少しずつスマホとしての便利な機能を教えることにして、格安通話SIMを契約して、知人の連絡先を登録して電話のかけ方と切り方を教えた。電話アイコンは情弱でもわかりやすいのか、電話のかけ方はすぐに覚えた。ちなみに料金は私持ちである。

・ステップ3:文字入力の仕方を覚えさせる
文字入力の仕方を覚えさせれば、チャットアプリを使ったり、自分でgoogleで調べることができるようになる。しかし情弱はフリック入力の指先だけ見ていて、実際に入力している文字を見ていないので、文字入力は難しいらしい。私は親にフリック入力練習アプリで文字を入力する練習をさせたり、LINEでどうでもいいチャットをやり取りしたりして、文字入力の方法を覚えさせた。

・ステップ4:アイコンの意味を教える
情弱は基本的にアイコンの意味をまったくしらない。「三」がメニューを開くアイコンだったり、「⇒」が送信ボタンだったり、オーバーレイ広告の上の「×」アイコンで広告を削除できるのを知らないので、アイコンの意味を全部教えてやる必要がある。

・ステップ5:インターネットという概念を覚えさせる
母はインターネットという概念を理解しないままインターネットを使っていた。私がインストールしてやったアプリだけ使っていて、Googleで検索したりアプリをダウンロードしたりできるということさえ知らなかった。
情弱は電話番号がないから通話できないと思い込んでいるので、インターネット回線と電話回線と違うもので、電話回線を契約しなくてもインターネット回線でLINEやSkypeで無料通話ができるのだと教えてやる必要がある。
父はデータ通信(LTE)とWiFiの違いを知らなかったので、無線の通信方式の種類が違うので、データ通信だと契約した通信容量しか使えないので、WiFiで使い放題の回線を使ったほうがよいと教えた。Bluetoothは今のところ使わないし、使わないものについて教えてもかえって混乱するといけないので教えていない。

●情弱がよくやってしまうことや注意点

・わからないときにでたらめに画面をポチポチ押してしまう
情弱はよくわからないときにどれかのアイコンを押せばなんとかなると思ってアイコンの意味もわからないままあちこちポチポチ押しまくってさらによくわからなくなるという悪循環を起こしやすい。画面をよく見ながら操作して、わからないアイコンは押さず、何か間違えたらそこでいったん操作をとめて、ひとつ前の操作に戻ってやり直すということを教えないといけない。

・広告をポチポチ押してしまう
情弱はウェブページの本文と広告の区別がつかずに、いちいち広告に反応してなんだコレととりあえずポチポチ押してしまう。クリックベイトは情弱ホイホイである。あらかじめセーフサーチ機能をオンにしておいて、変な広告をクリックして変なサイトに誘導されないように予防しておくほうがよい。広告が多いアプリも入れないほうがよい。
いきなりGoogleであちこちのウェブサイトを検索するより、最初はホーム画面に広告が少ない安全なサイトのショートカットを置いておいて、そのサイトを使わせてブラウジングに慣れさせるほうがよい。

・ホーム画面のショートカットアイコンを移動したり削除したりしてしまう
アイコンを短くチョンとタップするだけでアプリを起動できるのに、情弱はべたっと画面に指を押し付けて長押ししてしまう。そしてアプリが起動できないからと何度もベタベタぐりぐり押してしまう。そういう癖がある場合は情弱が操作に慣れるまではNova Launcherなどのアイコンのロック機能があるランチャーを使うほうがよいかもしれない。
ランチャーによってはショートカットアイコンの長押しでメニューの選択肢にショートカットの削除がでて、うっかりタップしてしまってショートカットが消えたので直してほしいと何度か親に言われたので、そういうランチャーは情弱の教育用には向かないので変えたほうがよい。

・間違えることを怖がって、よくわからないからもういいやとあきらめる
情弱はスマホの便利さよりも新しいことを覚える面倒くささのほうが勝って、別にスマホなんかいらないと言い出す。スマホが使えるようになるともっと生活が便利になると動機付けをして、一度にいろいろな操作をやらせようとせず、ひとつずつできることを増やしていって、スマホの利便性を体感できるようにしたほうがよい。最初は壊してもいいような安いSIMフリースマホをあげて、まずは使わせてスマホは怖くないのだと慣れさせるほうがよい。

・説明書をほしがる
昔のガラケーには分厚い説明書がついていたものの、安いSIMフリースマホには説明書はついていないので、情弱がGoogleで自分でわからないことを調べられるようになるまでは説明書代わりになって使い方を教えてやらないといけない。

・アップデートという概念を理解していない
情弱はアプリを定期的にアップデートしないといずれ使えなくなるということを理解していなくて一度アプリをインストールしたらほったらかしなので、いきなり使えなくなったと言い出す。すぐにアップデートが必要だという場合はあまりなくて無駄にデータを使うだけなので、私は数ヶ月に一度帰省したときに両親のスマホのアプリをアップデートしてやっている。

●教育の結果
私はスマホなんていらんという情弱の両親に無理やりスマホを持たせて、3年くらいかけて使い方を教えた。私は1年に2-3回帰省する際に情弱の親にちょろっと使い方を教えることしかできなかったのでだいぶ時間がかかったものの、同居している親に使い方を教える場合ならもっと早く使い方を覚えられると思う。
父にはgooのg05と0simをあげたら株価を見るのと電子書籍を読むのと電話をするのに使っていて、0simの500MBのデータでは足りないと言い出して母のスマホテザリングしてWiFi接続して低速無制限通信を使うことも覚えた。母は電話はいらないというのでZTE BLADE V580とLINEモバイルのデータSIMをあげたら、ゲームアプリで遊んだり写真を撮ったりLINEを使ったりradikoを聴いたり近所のスーパーのネットチラシを見たりできるようになった。Googleで自分で情報を調べたり自分で好きなアプリをインストールしたりはできないものの、とりあえず日常生活を便利にする程度にスマホを使えるようになったようである。
親にインターネットの便利さを教えてあわよくば実家で光回線を使えるようにしたかったものの、そっちは交渉に失敗したので帰省したときは低速無制限の回線で我慢しなければならない。プロバイダーは光回線を普及させたかったらもっと値段を下げてほしいもんである。