三角猫の生態

楽しく貧乏に暮らすための工夫とか節約術とかを書いています。

楽しい貧乏な食事:麺類で生き延びるんだ

貧乏人が生活費を切り詰めようとして最初に直面するのは自炊の問題である。自炊すれば食費が安くなるとわかっていても、毎日米を炊いたり味噌汁を作ったりするのはしんどい。そこで安くておいしくて簡単に作れる麺類の出番である。麺類さえ自炊できるようになれば貧乏になっても生き延びれるのだ。

●麺類は安い

私の近所のスーパーの麺類の値段はだいたい以下のとおり。

うどん/ひやむぎ/そうめん(乾麺)500g:100円、1食100gあたり20円
パスタ1kg:250円、1食100gあたり25円
やきそば3食入り:80-100円、1食あたり27-33円
生うどん3食入り:90-100円、1食あたり30-33円
そば(乾麺)300g:100円、1食100gあたり33円
インスタントラーメン5食入り:200-300円、1食あたり40-50円
生ラーメン3食入り:150-180円、1食あたり50-60円
カップラーメン1個:80-100円

1ヶ月の食費の予算を1万円にすると1食あたり100円程度にする必要があるけれど、麺類なら肉と野菜を加えても100円で十分栄養がある食事ができる。たとえばやきそばの麺1袋27円、もやし100g10円、ピーマン1個15円、豚ひき肉30g20円、キャベツの葉っぱ2枚10円、卵1個10円で、具がたくさん入った焼きそばが材料費92円で食べられるのである。安くて調理が簡単な麺類こそ貧乏人が自炊して飢えをしのぐライフラインとなる。

●食材と味付けのルーティーンをすれば飽きない

いくら麺類が安いといっても同じものばかり食べたら飽きるじゃないか、と言う人は料理が下手な人である。自炊においては同じものなどない。食材の配合や調味料をちょっと変えるだけでまったく味が変わる。それが食材のルーティーンと、味付けのルーティーンである。食材のルーティーンとは何種類かの食材の種類をちょっとづつ変えることである。味付けのルーティーンとは調味料をちょっとづつ変えることである。
食材は安くて大量に買える野菜を基本にするのであまり変えられないものの、調味料に工夫の余地がある。たとえばやきそばを作るにしても付属の粉末ソースを使わないで塩コショウをベースにして、しょうゆと鰹節で和風にしたり、五香粉やウェイパーや豆板醤やラー油で中華風にしたり、オリーブオイルとにんにくと唐辛子とバジリコでイタリア風にしたりして、焼きそばだけで何パターンも味付けを変えて飽きずに食べることができる。インスタントラーメンはスープの味が決まってしまっているので工夫の余地が少なくなるけれど、酢やラー油やコショウを足したり、スープのお湯を少なくしてつけ麺風にしたりして若干味を変えることができる。
この味付けのルーティーンと食材のルーティーンを組み合わせてやきそばとラーメンとパスタの麺類メニューで毎日過ごすとすると、たとえばもやしとキャベツと豚こまのしょうゆラーメン、キャベツとたまねぎととり胸肉ののあんかけ塩焼きそば、たまねぎとピーマンとベーコンのナポリタン、ピーマンとナスととり胸肉の野菜炒め味噌ラーメン、ナスとゴーヤと豚こまのソース焼きそば、というように食材の配合や味付けをちょっとずつ変えて食材が偏らないようにバランスよく栄養をとって飽きずに毎日おいしく麺類を食べることができる。麺類のアルティメット・ルーティーンを完成させればもはや貧乏は恐るるに足らずである。

●私のお勧めの麺類

私のお勧めはやきそばである。もやし、きゃべつ、たまねぎ、にんじんといった安くて量が多くて一年中手に入る定番野菜に合うし、調味料をアレンジしやすいし、とり胸肉と豚挽き肉と豚こま肉のどれでも対応できるし、肉がない場合は目玉焼きを追加したり油揚げの薄切りを肉代わりにしたりしてたんぱく質を補給できるし、フライパンひとつで調理できるのでコンロがひとつしかない貧乏アパートでも料理しやすい。フライパンからそのまま食べれば皿洗いの手間も少なくなる。

次点はパスタである。私はパスタを作るときは焼きそばとは味を区別したいので、ケチャップで味付けしてナポリタンにしたり、辛味とにんにくをきかせてアーリオ・オーリオにしたり、バラ子があるときはバラ子スパにする。熱々のパスタに生卵をからめて似非カルボナーラもおいしい。ナスやピーマンやほうれんそうなどの夏野菜とは相性がいいので夏には大活躍するし、魚介系とも相性がいいし、炒めるだけでなくスープ系に使いまわしもできるので冬にも出番がある。料理が面倒なときはパスタをゆでてふりかけやお茶漬けをかけるだけでも食べられる程度の味になるので、インスタント食品代わりにもなる。おいしくて使い回しができる反面、パスタをゆでるのに時間がかかってちょっと面倒くさいので忙しい貧乏人には向かないし、根菜とはあまり合わない。巷に出回っているパスタはだいたい1.7mmくらいだけれど、私は湯で時間が長いのは嫌いなので1.2mmの細いパスタを使う。

ラーメンはインスタントでもおいしいものの、たまねぎとかナスとかゆでるのに向いてない野菜がけっこう多くて、炒め系のやきそばやパスタにくらべると野菜のバリエーションが少なくなる。1食あたりの値段もやきそばやパスタよりも若干高いので、1食100円に抑えようとするとその分具が乏しくなるので貧乏人が栄養補給するのにはちょっと厳しい。カップラーメンは基本的に高いので、普段のルーティーンで食べるものではなくて食材が切れたときの非常食である。
私は和平フレイズの重ね鍋フライパンセットを持っているので、蒸し器を使ってまず野菜を蒸して、蒸したお湯を使って袋入りのインスタントラーメンをゆでて、野菜の栄養をあまり逃がさないように効率よくラーメンを作っている。直径16cmで一人分のインスタントラーメンを作るときにちょうどいいサイズでお湯もわかしやすく、少ないお湯で蒸すようにゆでるともちもちした麺になってうまいので、これから一人暮らしを始める人でインスタントラーメンが好きな人は和平フレイズの重ね鍋フライパンセットを買うと便利かもしれない。ちなみにこの鍋はパスタやうどんをゆでるのには向かない。

うどんやそうめんやそばはいくら安くても野菜と合わせにくくて食材のルーティーンを組みにくいし、出汁の味も和風以外だとあまりおいしくないので使いにくい。ねぎやほうれん草やきのこやわかめは合うものの、根菜はてんぷらにでもしないと合わない。うどんを焼きうどんに転用したりそうめんをビーフンに転用する方法もあるものの、ゆでる手間がかかるし焼きそばに比べたら麺がくっつきやすくて味がおちる。乾麺は長期保存ができるので、うどんやそうめんやそばは普段ルーティーンで食べるというよりも補欠としてスポット的に使うほうが便利で、たとえば野菜がないときに冷凍しておいた油揚げを煮込んできつねうどんにしたり、カレーがあまったときにカレーうどんにしたり、鍋があまったときに煮込みうどんにしたり、ラーメンの汁があまったときにそうめんを替え玉代わりにしたりする。

皆さんも貧乏になったときは麺類で生き延びるとよいですよ。