三角猫の生態

楽しく貧乏に暮らすための工夫とか節約術とかを書いています。

楽しい貧乏な勉強:インターネットで貧乏人が教養を身に着ける方法

光回線は月にだいたい5千円かかり、年間で6万円くらいになるので貧乏人にとってはけっこう痛い出費である。しかしインターネットをうまく使えばもとをとれるどころか、6万円以上に価値がある情報を手に入れることができる。貧乏人というのはただ金を節約すればいいというわけではない。貧乏人が教養を身につけなければ、いつまでも貧乏人のままである。いいものを安く手に入れてこそ貧乏人なので、インターネットで手に入る教養はどんどん手に入れるに越したことはない。教養のない金持ちでさえ拝金主義の成金だと馬鹿にされるのだから、教養のない貧乏人は向上心のない怠け者としていっそう馬鹿にされる。
教養を身に着けても金を稼げるわけじゃないし飯は食えねえよという貧乏人もいるかもしれないけれど、それは違う。貧乏人はまずがさつな言葉遣いで教養のなさがばれて、まぢうぜぇきめぇとかパーリーピーポーウェーイとかのアホ丸出しな話し方をしているとまともな教養人からは避けられて、出世や玉の輿のチャンスもなくなる。貧乏から引っ張り上げてくれる人とつきあうためには上流階級の言葉遣いを覚えるというのは昔からの定番のやり方で、ユーモア溢れる語彙を駆使して上流階級の人に気に入られて、こいつを貧乏なままにしておくのはもったいないなと思われるようにならないと上流階級の人から引っ張り上げてもらえないのである。

著作権の期限が切れた芸術作品や無料で公開されている芸術作品を鑑賞する。

青空文庫
青空文庫は有名なので説明の必要はないかもしれないけれど、著者の死後に著作権が切れた作品を公開していて、主に明治時代や大正時代の日本の古典小説を読むことができる。無料の読書なら図書館でいいやんけという人もいるかもしれないけれど、青空文庫には手軽に読める短編が多いし、図書館まで出かけなくてもパソコンやスマホでいつでも古典が読めるというのは便利である。

パブリックドメインクラシック音楽
パブリックドメインというのは著作権者の死後に一定期間がすぎて著作権保護期間が切れたということである。著作権の保護期間は国によってまちまちだけれど、パブリックドメインとして公開されているものはダウンロードしても合法である。だいたいは第二次世界大戦前のコンサートが中心で、録音状態もあまりよくないものの、クラシックコンサートに出かけたりCDを買ったりする金のない貧乏人が教養を身に着けるのには役に立つ。私のお勧めはフルトヴェングラーが指揮をしているベートーヴェン交響曲である。欧米では著作権の保護期間を長くしようという動きがあるので、消される前に早めにダウンロードするほうがよい。

・バレエ
外国の舞台芸術の動画がしばしばYouTubeにアップロードされているけれど、演劇やオペラと違ってバレエは外国語がわからなくても鑑賞できる。お金を払ってでも見たいような動画が無料で見れるし、逆にお金を払って見るほどでもない前衛舞踏のようなわけのわからないものも無料で見れるので、感受性が豊かになる。バレエを鑑賞して日常生活でスタイリッシュなムーブを決められる優雅な貧乏人になると周囲の人に一目置かれるようになるかもしれない。

・ドキュメンタリー
ドキュメンタリーはテレビでは金にならないせいかあまり番組が多くないし、貧困母子家庭の密着取材だとか旧日本軍の話だとかで内容が左翼方面に偏っている。その一方でGYAOやアベマTVとかのインターネット動画サイトだと外国のドキュメンタリー番組が見れるので、自然や歴史や科学などの多方面のうんちくを知ることができる。

・落語
落語の動画もしばしばYouTubeにアップロードされている。教養とみなすか趣味の娯楽とみなすかは微妙だけれど、日本文化の教養として有名な演目はとりあえず一度は見ておきたい。

●無料のアーカイブを利用する。

国会図書館
国会図書館にはインターネットで閲覧可能な資料がたくさんある。ただし江戸時代以前の資料はくずし字の知識がないと読めないし、第二次世界大戦前の資料は旧かな旧漢字で書いてあって読みにくい。「錦絵」で検索すると浮世絵が見れて、浮世絵ならくずし字の知識がなくても絵でそれなりに状況を理解できるので、美術の教養を身に着けたい人にお勧めである。

Wikipedia
Wikipediaは百科事典としてはやや信憑性には欠けるものの、まとめサイトよりはましである。あるトピックから別のトピックへと関連のあるトピックを読んでいくだけでもいろいろな知識が身につく。

●インターネットで専門家の話を聞く。

・大学の公式YouTubeチャンネル
京都大学や慶応大学などの大学はYouTubeの公式チャンネルで市民講座や講義の一部を公開している。大学でどんな講義をしているのか知りたい貧乏高校生や、いったん就職してしまって大学に行くほどの金や時間がない貧乏社会人には便利である。

・講演会や対談の動画
ジュンク堂YouTubeチャンネルのjunktvでは作家の対談の動画を公開しているし、「人生に、文学を。」プロジェクトでは作家の公演の動画を公開しているし、グロービス経営大学院YouTubeチャンネルでは経営者たちの講演会の動画を公開している。TOKYO MXYouTubeチャンネルでは西部邁ゼミナールが見れるけれど、西部邁は元東京大学教養学部の教授だし、対談相手のゲストも西部邁と知的な会話ができる偉い人たちなので、教養ある話が聞ける。こういう講演会や対談の録画は音声だけで理解できるので「ながら視聴」ができるのがメリットで、家事とか他の作業をしながら教養を身に着けることができる。

・TED
TEDは人生のコツやアイデアの出し方などについて、一人のプレゼンターが20分くらいプレゼンテーションをする番組で、ユーモアを交えつつ話しているので堅苦しくなりすぎない内容になっている。たいていは英語の動画だけれど、視聴回数が多い動画には日本語字幕がついているし、少数だけれど日本人のプレゼンターもいる。

・批評家の公式YouTubeチャンネル
東浩紀とか岡田斗司夫とかの批評家は自分のチャンネルに動画をアップロードしてつらつら意見を述べている。しかしメディアに出たがる批評家はクセがあるし、教養といえるかどうかは微妙。

インターネットラジオを活用する。

トーク番組
ラジオはテレビよりも低予算だけれど、テレビよりも情報量が多い分内容が充実している。テレビでひな壇タレントが大勢集まってぐだぐだ内輪話をしているのに比べて、ラジオは司会のパーソナリティとゲストというシンプルな構成なので、パーソナリティかゲストのどちらかが気に入れば外れはない。テレビだとトーク番組はせいぜい30分くらいしかないけれど、ラジオは1時間くらいあるので、テレビ番組よりもじっくりとゲストの話を掘り下げていてよい。

・音楽専門番組
外国のインターネットラジオ局だと、パーソナリティがいなくて音楽だけを延々と流している番組がある。クラシック音楽の作曲家も演奏家もよく知らないし、パブリックドメインクラシック音楽でどれを選べばいいかよくわからない人は、まずはクラシック音楽専門チャンネルでいろいろ聞いてみて気に入った曲を見つけるとよい。

・経済番組
ラジオ日経では株価や為替の値動きや日銀の会合やFOMCやら個別銘柄の決算発表を解説しているので、株や為替についての情報を得ることができる。貧乏で投資なんてする余裕なんかないから経済や株について知っても無駄だという人はいつまでも貧乏から抜け出せない。中国人が親戚から金を借金しまくって投資して貧乏から抜け出しているように、本業で稼げない貧乏人こそ投資で稼げるように経済や株の教養を身につけたほうがよい。

ライブ配信で動物を観察する。

貧乏人は動物園や水族館に行く金がない。動物の餌を買うくらいなら自分の食べ物を買いたいし、交通費や入場料で一週間分の食費がかかるとなると動物園や水族館に行く気がなくなってしまう。しかしインターネットだと動物のライブ配信をしているチャンネルがたくさんあって、家に居ながらにして動物の生態をじっくりゆっくり観察することができる。犬や猫といった身近な動物だけでなく、外国の野鳥とかゴキブリとか多種多様な生物が見れるので、子供の知育にもよい。

●インターネットで楽器の弾き方を覚える。

中古の楽器自体はフリマサイトとかで安く買えるものの、音楽教室に定期的に通って先生に教えてもらうのは1万円くらいの月謝がかかって貧乏人には痛い出費なので、楽器を演奏することをあきらめている貧乏人もいるかもしれない。しかしちょっと待ってほしい。音楽教室に行かなくても楽器を弾けるようになるのである。
YouTubeにはプロのミュージシャンが演奏テクニックを解説する動画がたくさんある。マイナーな楽器の解説動画はあまりないかもしれないものの、ギターやピアノのようなメジャーな楽器なら一通りの基礎テクニックをYouTubeの動画だけで覚えることができるし、楽譜もネットに落ちているのを拾って練習できる。
楽器を演奏するのは楽しいし、あまりお金をかけずに一生続けられる趣味になるし、楽器を演奏できる人は貧乏でも尊敬されたりするので、時間に余裕がある貧乏人は楽器を弾けるようになると人生が豊かになる。

●インターネットで英語を覚える。

ITのおかげで英語学習は昔よりも便利になっていて、高い電子辞書を買ったり英会話教室に通ったりしなくてもインターネットさえあれば英語の勉強ができるようになった。
YouTubeには英語講師が英会話のフレーズについて解説するチャンネルがたくさんあるし、language exchangeでネット掲示板で知り合った外国人と音声チャットや文章チャットでお互いに言葉を教えあいながら英語を覚えることもできる。FirefoxのアドオンのRikaichanを使うと、ブラウジングをしているときにこの日本語は英語でなんて言うんだろうと気になったときにすぐに単語を翻訳できる。
英語ができれば仕事のキャリアアップにもつながるし、もし日本が不景気のときでも外国に出稼ぎに行けるようになるので、貧乏人が生き残るためにも英語は覚えておきたい。

●まとめ
若いころに十分に勉強できなかった人や貧乏で大学にいけなかった人でも、インターネットを活用してあまりお金をかけずに芸術や語学の教養を身につけることができる。光回線を契約したとしても、月5千円で英会話も音楽のレッスンも習い放題で専門家の話も音楽も聞き放題で古典文学も読み放題で、教養を身に着け放題の定額ブッフェコースなのだと考えるとコスパはよい。ゲームのような教養にならない娯楽にふけるよりも、教養を身につけることで貧乏を脱出したり精神的に豊かな人生を過ごせるようになるので、インターネットを活用するほうがよい。